うさぎの冬の寒さ対策|適温18〜24℃とヒーターの置き方
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編集部による文献調査に基づく記事です(獣医師による個別監修は受けていません)。参考文献は記事末尾に掲載しています。
ご注意: 本記事は診療行為ではありません。うさぎの冬の飼育環境に関する公開情報を編集部がまとめた参考情報です。食欲の低下、うんちの量や大きさの変化、ぐったりして動かないなど気になる様子があれば、必ず早めにエキゾチックアニマル対応の動物病院にご相談ください。

まず結論:大切なのは「温度の数字」より「変動させないこと」
日本でうさぎが快適に過ごせる温度は 18〜24℃、湿度は 40〜60% が目安とされています(anicom うさぎとの暮らし大百科)。まずはこの範囲を目標にするとよいでしょう。
ただし、数字を追いかけるだけでは足りません。イギリスの Rabbit Welfare Association & Fund(RWAF)は、野生のうさぎが暮らす地下の巣穴について「約10℃で、決定的に重要なのは、この温度が一年を通してほとんど変わらないこと」と説明しています。そのうえで「寒いところから暑いところへ、あるいはその逆への変化は、うさぎにとって非常に有害になりうる」と注意を促しています。
日本の資料(18〜24℃)と RWAF の説明(約10℃)で数字が違うのは、飼育環境の前提が異なるためです。日本ではほとんどが室内飼育ですが、イギリスでは屋外飼育の文化が根強く残っています。共通しているのは「急に変えない」という原則です。本記事では日本の室内飼育を前提に、18〜24℃を基準として進めます。屋外飼育の側で何が求められているかは「うさぎ小屋を冬仕様にする|屋外飼育の断熱と寝床」にまとめました。
寒さ対策を始めるのは10〜11月|本格的な冬では遅い理由
「寒くなってきたら考えよう」と思っているうちに、うさぎにとっては一番つらい時期が過ぎてしまうことがあります。
anicom は「秋口になると夜は冷え込んだり、天候によって肌寒い日が出てきたりします。本格的な冬を迎える前に少しずつ寒さ対策を始めましょう」と案内しています。秋は日中と朝晩の気温差が一年で最も大きくなる季節で、前章の「変動させない」という原則が最も崩れやすいタイミングだからです。
さらに秋は、冬毛を作るためにエネルギーを大きく消耗する時期とも重なります(うさぎタイムズ)。換毛期のケアについては「うさぎの換毛期ケア」にまとめていますので、あわせてご覧ください。
子うさぎや高齢のうさぎは温度変化の影響を受けやすいとされています(anicom)。同居しているうさぎの年齢によっては、対策を前倒しするほど安心です。
うさぎが「寒い」と伝えているサイン
温度計の数字だけでなく、うさぎ自身の様子からも判断できます。anicom は寒がっているときの様子として、次のような観察ポイントを挙げています。
- ケージのすみで、体の下に手足を入れて丸まっている
- 耳に触れると、いつもより冷たい
うさぎの耳は体温を逃がす役割を持つため、寒いときは血流を抑えて冷たくなります。普段から耳の温かさに触れておくと、変化に気づきやすくなります。

あわせて、食欲やうんちの変化にも注意してください。寒さによる体調の崩れは消化器に出やすく、食欲低下は早期発見の手がかりになります。観察の具体的な手順は「うさぎがごはんを食べない時に観察したい5つのポイント」をご覧ください。
ヒーターの選び方|タイプ別の特徴
うさぎ用の保温グッズにはいくつかのタイプがあります。
マット型(電気式) は最も多く流通しているタイプで、ケージの床に敷いて使います。うさぎが自分で乗ったり降りたりして体温を調節しやすいのが利点です。
マイクロ波加熱式(電子レンジで温めるタイプ) は電源コードがないため、かじりや感電のリスクがないという特徴があります。海外の団体でも紹介されている選択肢です。ただし時間の経過とともに冷めるため、長時間の保温には向きません。
パネル型や、電気を使わない断熱グッズ(ケージカバー、断熱マットなど)も、組み合わせて使うと効果的です。
電気式を選ぶ場合、anicom は「コードを厳重に保護してあるうさぎ専用のもの」をすすめています。選ぶ基準としては、温度が上がりすぎないこと、コードが保護されていること、丸洗いなど掃除がしやすいことの3点を確認するとよいでしょう。
ヒーターは「置き方」でほとんど決まる
同じヒーターでも、置き方によって安全性と快適さが大きく変わります。ここが見落とされやすいポイントです。
ケージの床全面に敷かないでください。 温かい場所と、そうでない場所の両方を作り、うさぎ自身に選ばせるのが基本です。
RWAF は屋外飼育の文脈で、寝床を2つ用意して片方だけにヒートパッドを置く方法を紹介しています。その理由として「寝床が暑すぎると、うさぎはそこを離れてしまい、かえって外で冷えてしまうことがある」と説明しています。室内のケージでも考え方は同じで、逃げ場がない状態が最も危険です。

あわせて次の点も確認してください。
- 低温やけどに注意する。同じ場所に長時間乗り続けないよう、上に布を一枚敷くなどして直接触れ続けない工夫をする
- 電源コードのかじり対策は必須。コードカバーを使う、ケージの外側を通して届かないようにするなど
- ストーブや石油ファンヒーターのつけっぱなしは避ける。anicom は「留守中に高温になるストーブや火気のある石油ファンヒーターをつけっぱなしにするのは絶対にやめましょう」と明確に注意しています
ヒーター以外で効く3つ|すきま風・置き場所・空気
保温グッズを足す前に、まず「冷えの入り口」をふさぐほうが効果的なこともあります。
すきま風。イギリスの PDSA は「窓やドアからのすきま風は、うさぎの体を冷やします」として、ケージをすきま風の当たらない場所へ移すよう案内しています。窓際や部屋の出入口の動線は見直す価値があります。
床からの冷え。ケージを直接フローリングに置くと底冷えします。すのこや断熱マットを一枚挟むだけでも体感は変わります。夜間はケージカバーで放熱を抑えるのも有効です。
暖房シーズン特有の空気。これは意外と知られていませんが、PDSA は「フッ素樹脂加工のフライパン、薪ストーブ、香り付きキャンドルなど、家庭には煙やガスを出すものが多くあります」として、うさぎをそれらから遠ざけるよう注意喚起しています。暖房器具を使う冬は空気がこもりやすいため、意識的な換気が大切です。
乾燥にも注意が必要です。適正な湿度は 40〜60% が目安とされています(anicom)。ただし、フケが増えたときに乾燥のせいと決めつけるのは避けてください。PDSA はフケをダニなどの寄生虫の症状として挙げています。冬の湿度については「うさぎの冬の乾燥対策|湿度40〜60%とフケの見かた」で詳しく扱っています。
冬を「記録」しながら乗り切る
温度と湿度は、測って初めて管理できるようになります。測る位置にも注意してください。人が立っている高さと、ケージの床の高さでは体感がまったく違います。温湿度計はケージと同じ高さに置くのが基本です。
そして冬は、食欲・うんち・体重の変化が出やすい季節です。普段のベースラインがわかっていれば、「いつもよりうんちが小さい」「ペレットが残っている」といった小さな変化に早く気づけます。
うさぎDiary アプリでは、食事・うんち・体重を 30 秒で記録できます。温湿度もあわせてメモしておくと、年単位で「この家は何月から冷えるのか」が見えるようになり、来シーズンの準備がぐっとラクになります。
冬を越えれば、次は梅雨と夏です。季節ごとの対策は「うさぎの熱中症サインと予防」もあわせてご覧ください。気になる変化があるときは、自宅での対応にこだわらず、早めに動物病院へご相談ください。
記録は、うさぎDiary アプリで
つけた記録は、気になる変化があったときにそのまま動物病院で見せられます。iPhone / Android どちらでも使えます。
よくある質問
うさぎのケージにヒーターは必ず必要ですか?
室温を18〜24℃に保てる部屋であれば、必ずしも必要ではないとされています。ただし朝晩の冷え込みが大きい部屋や、子うさぎ・高齢のうさぎがいる場合は、部分的な保温があると安心です。
寒さ対策はいつから始めればよいですか?
本格的な冬ではなく、秋のうちに少しずつ始めることが勧められています。秋は朝晩の気温差が最も大きく、急な温度変化がうさぎの負担になりやすいためです。
ヒーターはケージ全体に敷いてもよいですか?
全面に敷くのは避けるのが基本です。温かい場所と涼しい場所の両方を作り、うさぎ自身が移動して体温を調節できるようにします。暑すぎる場所しかないと、かえって逃げ場を失います。
うさぎが寒がっているかどうかは、どこで判断できますか?
ケージのすみで体の下に手足を入れて丸まっている、耳に触れるといつもより冷たい、といった様子が目安として紹介されています。あわせて食欲やうんちの変化も確認してください。
冬の湿度はどのくらいがよいですか?
40〜60%が目安とされています。冬は暖房で乾燥しやすい季節です。ただしフケが増えたときは乾燥のせいと決めつけず、皮膚の状態として動物病院にご相談ください。
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参考文献
- 寒さ対策は大丈夫?うさぎが寒がらないようにするにはどうしたらいい? / anicom うさぎとの暮らし大百科(アニコム損害保険) (参照: 2026-09-13) リンク
- Keeping Outdoor Rabbits Warm in Winter / Rabbit Welfare Association & Fund (RWAF, UK) (参照: 2026-09-13) リンク
- Keeping rabbits warm in winter / PDSA (People's Dispensary for Sick Animals, UK) (参照: 2026-09-13) リンク
- Winter care advice for rabbits / RSPCA (UK) (参照: 2026-09-13) リンク
- うさぎの秋〜冬に向けて準備しよう / うさぎタイムズ (参照: 2026-09-13) リンク