うさぎの飼育費用|資料で数字が違う理由と内訳の読み方
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編集部による文献調査に基づく記事です(獣医師による個別監修は受けていません)。参考文献は記事末尾に掲載しています。
ご注意: 本記事は診療行為ではありません。公開されている団体・サイトの情報を編集部がまとめた参考情報です。金額は調査時点・地域の値であり、ご自身の費用を保証するものではありません。体調に気になる変化があれば、早めにエキゾチックアニマル対応の動物病院にご相談ください。

うさぎの飼育費用はいくらと言われている?
**国と資料で、桁の感覚がまるで変わります。**まずは日本・英国・ドイツの4つの数字を、そのまま並べます。
日本では、アニコム損保の「ペットにかける年間支出調査2024」をもとに、うさぎの年間支出は168,316円と紹介されています。同じ記事は、生涯では約100万円といわれている、とも書いています。
英国の PDSA は2羽を前提に、最低でも室内で月£80、屋外で月£84、生涯では室内£7,700〜10,600、屋外£8,000〜11,000としています。
同じ英国の RWAF は、月£85(年に直すと£1,035)に年1回のワクチンなどの追加£430を足して年£1,465、2羽の生涯で**£17,500超**としています。
ドイツのうさぎ情報サイト kaninchenwiese は、2羽で月平均130€、8年で約18,000€という数字を挙げています(獣医団体ではなく民間サイトの試算です)。
なぜ同じ英国の資料で2倍近く違う?
**前提が違うからです。**どちらかが間違っているのではなく、数えている範囲が違うだけです。
PDSA の数字は minimum(最低額) として示されたものです。一方 RWAF は初期費用の合計を£3,770とし、その内訳で囲いに£500〜3,000という幅を置いています。囲いだけで PDSA の初期費用(£980)を超えることになります。
月々でも差が出ます。RWAF の月£85は、牧草£20・餌£10・寝床材£10・生野菜£30・保険£30という内訳です。生野菜と保険で£60、つまり月の7割がこの2つです。
つまり「うさぎはいくらか」という問いには、どこまでを数えるかを決めないと答えが出ません。
数字に含まれていないものは何?
**病気になったときの診療費です。**英国の2団体はどちらも、そこは別勘定だとはっきり書いています。
PDSA は含まれるものを列挙しています。寝床材、ワクチン、牧草、餌、食器、キャリー、マイクロチップ、去勢避妊、おもちゃ、グルーミング用品、保険。そのうえで、病気になった場合の診療費、うさぎ自体の購入・譲渡の費用、ペットホテルやペットシッター、療法食は含まないと書いています。
RWAF も生涯£17,500超という数字に「予期せぬ診療費は含まずに」と添えています。
アニコムの168,316円については、費目の内訳が公開されていません。つまり何が含まれ何が含まれないかを読み取ることができません。数字を見たときは、まず何が入っていないかを探すほうが早いです。

初期費用でいちばん差が出るのはどこ?
**囲いです。**RWAF の見積もりでは£500〜3,000の幅があり、初期費用の大半をここが占めます。
RWAF の初期費用£3,770の内訳は、うさぎ2羽£60〜200、2羽の去勢避妊で最大£500、囲い£500〜3,000、寝床材や食器£30、おもちゃ£20、牧草と餌£20です。囲いが合計の大半を占めています。
kaninchenwiese も、2羽の基本装備を室内で約440€、屋外で770〜1,800€としています。
なぜこれほど幅が出るのか。広さの要件が効きます。ドイツの TVT は屋外飼育に2匹で最低6m²の運動場を求め、1頭増えるごとに20%以上広げるとしています。市販のケージ単体ではこの前提を満たしません。屋外の作り方は「うさぎ小屋を冬仕様にする|屋外飼育の断熱と寝床」に、お迎え前にそろえるものは「うさぎのお迎え前チェックリスト|そろえるものと広さの目安」にまとめています。

毎月かかり続けるのは何?
**牧草・寝床材・生野菜の3つです。**RWAF が挙げる月£85のうち、この3つだけで£60を占めます。
kaninchenwiese はもう少し細かく、敷材15〜20€/月、牧草 約7€/月、生野菜は節約しても冬で約2€/匹/日、通常は4€/匹/日、備品や遊び道具10〜15€/月、ワクチンは2羽で年約200€(月あたり約17€)としています。
日本のアニコムの記事では、食費と消耗品で月3,000〜5,000円ほど、という書き方になっています。
共通しているのは、毎月出ていくものの中心が牧草だという点です。選び方は「うさぎの牧草の選び方|1番刈り・2番刈りとアルファルファ」にまとめています。
1羽と2羽で前提がどう変わる?
**英国とドイツの数字は、すべて2羽前提です。**日本の数字と並べるなら、まず頭数をそろえる必要があります。
PDSA も RWAF も「a pair of rabbits」として金額を出しています。kaninchenwiese も、うさぎは社会的な動物なので最低2匹という前提で計算しています。TVT の6m²も2匹に対する数字です。
日本で紹介される数字は、単独飼育が主流の環境で集計されたものです。ここを読み替えずに並べると、費用の差が飼い方の差なのか頭数の差なのか分からなくなります。
なお、費用は頭数に比例しません。囲いや光熱費は分け合えますが、牧草や医療費は頭数分かかります。何羽で暮らすかは費用だけで決める話ではないので、本記事では金額の前提としてのみ扱います。
医療費はどう見積もればいい?
**別枠で考えます。**どの資料も本体の数字から外しているので、足し忘れるとそのまま不足になります。
kaninchenwiese は個別の例として、ワクチン80〜120€、オスの去勢は200€前後、歯の処置は**300〜1,000€**という金額を挙げています。1回の処置が月々の費用を大きく超えることが分かります。
日本の年齢別の診療費や保険の考え方は「うさぎの医療費のリアル|年齢別の診療費データと備え方」で詳しく扱っています。飼育費用の見積もりは、この記事の数字に医療費を足して初めて形になります。
平均ではなく、自分の実額を持つ
公開されている数字は、前提つきの平均です。自分の家の金額は、自分の記録からしか出てきません。
牧草が何日で1袋なくなるか、去年は何回動物病院に行ったか。この2つが分かるだけで、見積もりの精度は大きく変わります。うさぎDiary アプリでは食事・うんち・体重を30秒で記録できるので、牧草の減り方や受診のタイミングをあとから振り返る材料になります。
金額は地域と時期で変わります。実際の費用はお住まいの地域の価格と、かかりつけの動物病院の料金でご確認ください。
記録は、うさぎDiary アプリで
つけた記録は、気になる変化があったときにそのまま動物病院で見せられます。iPhone / Android どちらでも使えます。
よくある質問
うさぎの飼育費用は年間どれくらいですか?
アニコムの調査では年168,316円、英国のPDSAは2羽で月最低£80、ドイツのうさぎ情報サイトは2羽で月平均130€としています。頭数も含める費目も違うため、そのまま比べることはできません。
同じ英国なのに資料で金額が違うのはなぜですか?
前提が違うためです。PDSAは最低額として示し、RWAFは囲いに£500〜3,000を見込んでいます。生涯費用はPDSAが2羽で£7,700〜11,000、RWAFが£17,500超です。
費用の数字に診療費は含まれていますか?
含まれないことが多いです。PDSAは病気になった場合の診療費を除外すると明記し、RWAFも予期せぬ診療費は別としています。アニコムの調査は費目の内訳が公開されていません。
初期費用でいちばんお金がかかるのは何ですか?
囲いです。RWAFは初期費用の合計を£3,770とし、そのうち囲いを£500〜3,000としています。ドイツの例では室内で約440€、屋外で770〜1,800€という幅が示されています。
毎月かかり続けるものは何ですか?
牧草・寝床材・生野菜です。RWAFの月£85のうち、この3つで£60を占めます。ドイツの例では敷材15〜20€、牧草約7€という内訳が示されています。
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参考文献
- うさぎの飼育費用はいくらかかる?年間支出調査大発表! / anicom うさぎとの暮らし大百科(アニコム損害保険) (参照: 2026-09-30) リンク
- The cost of owning rabbits / PDSA (People's Dispensary for Sick Animals, 英国) (参照: 2026-09-30) リンク
- Rabbit Care Costs Far More Than Expected, Says RWAF / Rabbit Welfare Association & Fund (RWAF, 英国) (参照: 2026-09-30) リンク
- Die wahren Kosten von Kaninchen: was du vor der Anschaffung wissen solltest! / kaninchenwiese.de(ドイツの民間うさぎ情報サイト) (参照: 2026-09-30) リンク
- Merkblatt Nr. 157: Kaninchen (Heimtierhaltung) / Tierärztliche Vereinigung für Tierschutz e.V.(TVT・ドイツ獣医動物福祉協会), Stand September 2019 (参照: 2026-09-30) リンク